Chus チャウス 那須の大きな食卓

Facebook  |  Tumblr
2020/02/28 Fri

はたらき方くらし方

 

ずいぶん前になりましたが「働き方について」というタイトルで記事を投稿しました。飲食店を経営するにおいて必ずぶち当たるスタッフの労働環境の問題と会社としての利益の両立を目指す内容になっています。

あの記事から二年経ち、Chusを5年続けて来て、その解決策としてこの3月にChusの近くに居酒屋をOPENすることになりました。

開業時に飲食店(Table)と地産野菜やチーズを置く食料品店(Marche)を、
2年後には2階、3階部分にゲストハウス(YADO)を、
4年後には地産のお土産になるように「バターのいとこ」
と事業を加えていきました。


<Table>


<Marche>



<YADO>


<バターのいとこ>

「働き方、暮らし方」
チャウスのある那須はゆたかな自然環境があり、時間がゆっくりながれています。
その中で暮らすことは心身共に健康でいられる場所だと僕は信じています。
しかし一方で地方での飲食店経営は人口や世帯年収などの理由からとても厳しいものです。
さらに週休2日、年収400万、労働時間8時間といわゆる「普通」の労働環境を達成するためには飲食店だけでは到底難しく、そのため開業当時にとった作戦は上記にあるように複数の業態を少ない人数で営業する「マルチタスク」でした。

お店を複数店舗経営するよりも一つの場所で異なる業態を作れば。
例えばレジ機能や掃除などを効率化することになります。
3店舗でレジに3人必要だとしたところChusでは1つだけで飲食店、食料品店、お土産、ゲストハウスのお客さまの会計をまかなっています。
それは単に経営面での効率化だけではなく、僕個人ではスタッフの労働環境改善を目指したもので、
「3人分の仕事をすれば、待遇を良くできるのではないか」
という簡単な仮説を元にスタートしました。

もちろん弊害もあります。
働き手には普通よりも3倍のスピードが求められるし、(週末などはレジの行列などに不満がでてきてしまっています。)
それに複数のスキルが求めれるので単調な仕事をしてきた人にとって、マルチタスクはとてもハイレベルなものだとびっくりしてしまってすぐに辞めてしまう人もいます。

「田舎で暮らす」ってみなさんはどんなイメージでしょうか。

「ゆっくりしてて良いよね」とか
「そんなにがんばらなくても良い」みたいな感覚ありませんか?

もちろん都会に比べれば、人口密度からみても渋滞や満員電車などもほとんどありません。
ただ、商売をする上では人が少ない以上専門性を持った仕事が少なくなるのも事実で、その結果、所謂「一般的な」労働環境を得ようと思うと田舎の持つイメージとはほど遠く、逆に前述したようなスキルも必要になってきます。
要は「なんでもやる」なDIY精神がある人は向いていますし、人から指示をされたことを「待つ」人は実は都会の方が働き方としては向いているのかもしれません。(一般的な労働環境を小さい会社が手に入れようとおもったらというのが前提ですが)。

「酒と肴 あくび」
ずいぶん前置きが長くなりましたが、来月からChusの側で新店舗をOPENします。Chusで繋がってきた地域/全国の生産者さんから送られてくる美味しい食材を使った日本料理。そして天然水と自然米で造られた「自然酒」を出す居酒屋です。
それと共にChusを現在の営業時間23時までから21時までで営業を終了することにしました。新店舗を開業することにより「朝のChus」と「夜のあくび」と役割を分担することによってChusのスタッフの労働時間を短縮に挑みます。

一見、複数店舗を持たない「マルチタスク」の概念から新店舗を開店することに矛盾しているように見えますがChusの「夜」を切り取り、あくびに貼ることによって、飲食店、食料品、お土産、ゲストハウスと業態を横に広げていた軸と朝、昼、晩と縦に長く営業していたところの一部を切り取るイメージです(かなりわかりづらいですかね。)

 

休みを増やして労働時間は短くすると労働からの対価が少なくなる。
休みを増やして労働時間は短くすると家族や仲間と居られるゆたかな時間がとれる。

この相反するようにみえる「働き方、暮らし方」が結局はどこが一番バランスの良いところなのか、Chusはラボとして挑戦して行こうとおもっています。

【酒と肴 あくび】
営業時間  18-23
定休日   水木
電話番号 0287-74-5156(Chus)
場所  〒325-0048 栃木県那須塩原市材木町1-1
map   https://goo.gl/maps/gPBs34LsChjYwoBv7